Altium Designer は他社の CAD で作成されたデザインデータの読込機能が充実しており、さまざまな CAD ツールで作成された回路図や PCB データを読み込んで再利用することができます。そして Altium Designer 14 では新たに CadSoft EAGLE の読込機能が追加され、 EAGLE で作成した回路図や PCB を Altium Designer に読み込んで再利用することができるようになりました。
Altium ではこのような他社データの読込機能を、他社製品からの移行を促進することを目的に用意しています。そして私たちはデータが再利用できることを前提に、 Altium Designer は今お使いの CAD よりも安くて高性能であることを説明して、乗り換えをお奨めするわけです。
しかし、EAGLE については若干事情が異なります。EAGLE は Altium より安価であり、おいそれとは高価な CAD に切り替えることはできないという方々も多いと思います。そこで EAGLE ユーザー様には、Altium Designer への乗り換えではなく、併用をお奨めすることにしました。
Altium Designer では EAGLE の回路図と PCB およびこっらのライブラリファイルの読込が可能です。この機能を利用することにより、さまざまな併用方法が考えられますので、そのいくつかを紹介したいと思います。

- EAGLE の回路図シンボルを共用
EAGLE のシンボルライブイラリを読み込んで再利用できるので、Altium Designer で回路図を描く場合にも別途にライブラリを作成する必要はありません。
- EAGLE で書き溜めた回路図を再利用
EAGLE で作成した回路図を読み込んで再利用できるので、今までに書き溜めた回路図を利用してAltium Designer で新しい回路図を作成することができます。
- EAGLE で完成させた回路図を Altium データに変換して利用
EAGLE で完成させた回路図を Altium Designer に読込み Altium 統合環境を利用して PCB 設計やシミュレーション、ドキュメント出力などを行うことができます。また Altium Designer を使っている取引先との連携にも役立ちます。

- EAGLE の PCB フットプリントを共用
EAGLE のフットプリントライブイラリを読み込んで再利用できるので、Altium Designer で PCB を設計する場合にも別途にライブラリを作成する必要はありません。
- EAGLE で部品配置した後 Altium でその後の設計を行う
手軽に使える EAGLE で部品配置までを行い、その後の配線や CAM 出力などの工程を Altium Designer で行うという設計分担が可能です。複雑な PCB の設計を行う場合に効果的な方法です。
- 配線の終った PCB を Altium Designer で利用
EAGLE で配線を終えた後の工程を Altium Designerで引き継ぐことができる他、以前にEAGLE で設計済の PCB データを新たな PCB の設計に再利用することができます。
- EAGLE で完成させた PCB を Altium データに変換して利用
EAGLE で完成させた PCB を Altium Designer に読込み Altium 統合環境を利用して シミュレーション、ドキュメント出力などを行うことができます。また Altium Designer を使っている取引先との連携にも役立ちます。
以上、いろいろ効果的な併用法があると思います。EAGLE をお使いの場合場合にはぜひとも Altium Designer 評価版を入手 してお試しください。
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